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[特許出願書類とコンピュータ]

[特許出願書類とコンピュータ] 簡単なアプリを沢山駆使してで文書作成作業の高速化をしています。
                                           弁理士 加藤雄二

 私は弁理士、特許出願書類を作成して特許庁に提出する仕事をしています。
 特許出願書類は、発明の内容を図面を参照しながら説明する部分や、私はこの発明について独占権を下さいという文章を書いた書類です。
 これからのお話は、すこしこの世界をかじった人なら理解してもらえるかな、というかなり自分勝手なストーリです。

 昭和の時代には、特許出願のための書類を万年筆で書いて特許庁に対し書留郵便で郵送するという作業をしていました。その後、和文タイプで書類を作成するようになり、さらにワープロを使うことができる時代が到来しました。それでも、長い間、特許出願は書留郵便で出すという時代が続きました。

 1990年(平成2年)になって、特許庁は世界で初めて電子出願のシステムを採用しました。今では当たり前のようですが、当時は、端末装置から書類を特許庁に送信するというシステムは、画期的なものでした。
 しかしながら、特許出願書類を特許庁に送信するために、極めて特殊なデータを作成する作業が必要でした。端末装置も百万円以上するものでした。
 そんな端末装置は小さな特許事務所では1台しか設置できませんでした。

 1998年になって、特許庁は.HTMLデータで特許出願書類を作成するシステムに切り替えました。
 HTMLデータは、インターネットエクスプローラのようなブラウザで読むことができる汎用性の高いものです。
 この出願書類はプレーンテキスト形式で、簡単なテキストエディタで作成できます。
 最近の傾向では、WORDや一太郎で特許出願書類を作成し、特許庁から提供された特許出願用のアプリケーションプログラムを使って、出願データを作成することができます。だから、ユーザーは、この出願データがHTMLデータであるかどうかを全く意識する必要がありません。
 ここで、HTML形式の特許出願データの構造を具体的に紹介します。
 特許出願データは、限定された種類のタグとプレーンテキストデータとイメージデータだけで構成されています。
 プレーンテキストデータというのは、文字飾りもフォントの指定もタブも全くない普通の文字だけを並べた文書データです。ワードや一太郎で普通に文章を作って、テキストで保存と言う作業をすると、プレーンテキストデータを作成することができます。
 このテキストデータの先頭に<HTML><BODY><PRE>というタグを付け、最後に</PRE></BODY></HTML>というタグをつけて、拡張子をhtmに変更するだけで、HTMLデータが完成します。
 特許出願データでは、フォントの種類やサイズあるいはカラー等を指定することはできません。本文中で指定できるタグは3種類だけ、化学式や数式で使用される上付き文字と下付き文字、および、アンダーラインだけです。
 タグを使っても表せない複雑な数式はイメージデータを貼り付けます。
 イメージデータも自由ではなくて、白黒データに限られます。
 特許出願書類には、【】で表した表題や段落番号を使った区切りが設けられています。
 この区切りを目印にして、特許出願明細書を分解することができます。 Visual Basicと言う簡単なログラムを利用して、私は、特許出願のためのデータを加工したり点検したり分解したり、文書作成作業を補助するためのプログラムをつくりました。

 最初に作ったのは、段落番号の数字をいつでも自由に順番に付け直すことができるプログラムです。電子出願制度が始まった当初は、改行された場所に自動的に段落番号が入るようなプログラムが市販のツールに入っていたようです。今でもそうなのかは知りません。
 私は、文書作成中に、段落番号のほしいところに【0000】と入力しておき、プログラムはこの【0000】を検出して連続番号を入れるようにしました。
 その後、図面参照符号の付け間違いを点検する符号チェックプログラムというプログラムをつくりました。これは非常に工夫をし改良を重ねて作ったプログラムです。そこで、その仕組みを特許出願し、査定不服審判まで頑張って特許を取得しました。まだその特許は有効に存続しています。
 その後、特許出願明細書を作成する作業の能率化を図るために、多数のプログラムを作成しました。明細書を要素毎に分割して重複記載部分を自動的に生成するプログラム、自分の癖によって発生するミスを検出するプログラム、文書作成作業を何倍にもスピードアップし、同時に入力タイプミスを無くすプログラム等をつくりました。
 いずれも、全てプレーンテキストデータの処理を基本にしています。非常にシンプルなプログラムで、OSの複雑な機能に依存しないので、 Windows 98、me 、2000、 Vista 、 xp 、 7 、 8 、と言うように次々にOSがバージョンアップされても、全て当初作ったプログラムがそのまま使えます。

 また、ワードや一太郎を利用して文章作成をすると、作成中の文章を他のアプリケーションで自由に加工したり点検したりすることができません。
 私の各種プログラムは、ワードや一太郎で作成中の文書の一部をクリップボードに取り出して加工し、再び元に戻すことで、どんな文書作成ソフトでも利用できる工夫をしてあります。

 特許出願明細書のデータが単純なHTMLデータだから、何の問題もありません。
 以上のような概要説明だけでは実感がわかないので、サンプルの出願明細書を、私のコンピュータプログラムを使って作成するところを紹介する予定です。
 コンピュータを忠実な助手に使ってご自分の業務の効率化を図ってみませんか?

なお、沢山の皆さんに使用して頂くためにそれぞれワンコインで配布できるように準備しています。下記のHPを覗いてみてください。

http://members.jcom.home.ne.jp/tecfuji/

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